中学校美術科研修
アニメーションをつくる・楽しむ・かんがえる
〜アニメーションで教えるためのワークショップ〜
講師:布山タルト
(東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授/一般社団法人日本アニメーション教育ネットワーク理事)
本研修は、図工・美術教育におけるアニメーションの可能性について、実際につくり、楽しむ経験を通じて、みなさんとともに考えることを目的としています。今回のワークショップでは、コロナ禍においてすっかり遠のいてしまった「モノとの触覚的な関わり」を少しでも取り戻したいと考え、自然物の「石」を用いたコマ撮りアニメーション制作に取り組むカリキュラムにしました。モノ・他者に対する想像力を育み、自身と世界とのつながりを実感できる経験として、今回のアニメーティングを楽しみ、みなさんの授業に活かして頂ければ幸いです。
令和4年7月27日(水)
① オンライン研修 10:00~12:00
② 集合研修 14:00~16:00
事前配布資料
コマ撮りアプリについて
- KOMA KOMA × 日文 ※Webアプリ。インストール不要。
ご自分でアプリのインストールが出来る方は、以下をお使いください(最大撮影コマ数や1秒間の再生コマ数の変更ができます)。いずれも無料です。
コマの編集や音声録音などを試したい方は、以下のアプリをおすすめします。基本機能は無料です。
- ストップモーションスタジオ
ストップモーションスタジオの使い方は、講師の所属する日本アニメーション協会の「JAAアニメーションキャラバン」が制作した以下のビデオがおすすめです。
子ども向けバージョンは以下↓
タブレット固定スタンドについて
スタンドをお持ちで無い方は以下を参考に自作することをおすすめします。
参考: 1分で作れる!ダンボール製iPhoneスタンドを自作してみたぞ!
Slackについて
今回のワークショップでは作品データ共有にSlackを使用します(学校教育ではまず使用されないと思いますが、比較的手軽に使えるサービスですので、ご了承ください)。
>>> Slackの招待リンク
予備:Slackにアクセスできない方のためのデータ提出先(Dropboxファイルリクエスト)
講師紹介
布山タルト
東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授。1990年代からアニメーション制作を開始。『FRANK』(文化庁メディア芸術祭優秀賞)をはじめコミックに基づくアニメーション作品などを制作。2003年からトリガーデバイス社と共同でアニメーション制作デバイスの開発を始め、国内外でワークショップを行う。2010年にコマ撮りアプリ『KOMA KOMA』を開発。2012年に無料公開したiPad版は世界で400万以上ダウンロードされている。2021年に日本文教出版とのコラボレーションでWEBアプリ『KOMA KOMA×日文』を発表。図工・美術のためのアニメーション教育プログラムの開発や、文化庁のメディア芸術分野の人材育成カリキュラム開発などの実践的研究に取り組む。日本アニメーション学会事務局長、一般社団法人日本アニメーション教育ネットワーク理事、日本アニメーション協会理事。博士(学術)。
▼昔のプロジェクトから〜
デザイナーの寺田尚樹のテラダモケイ1/100建築模型用添景セットを使ったアニメーションテスト(非公開)
▼テラダモケイ
端地美鈴
京都・横浜を拠点に活動する映像作家。
紙への鉛筆でのドローイング、消しゴムの消しカスを使用したアニメーションを独自の表現方法として確立。
身近な素材を用いて制作する手法で、ミュージックビデオ、 プロモーションビデオなどを制作し、アニメーションワークショップ、プロジェクションマッピングのためのアニメーション制作にも携わる。
▼端地美鈴「夜の道路工事」 5分
演習『石』
プレイ1:動きの見立て遊び
- まずは石をじっくり触り、その形を感じましょう。
- 撮影します。ここでは移動はさせず、同ポジ(同じ位置)で石の置き方だけを変えて2コマ撮影します。どんな動きが見えるでしょう?
- 面白い動きが発見されたら、何かその動きに何かことばをつけてみましょう(オノマトペや石の心の声など…)
- 少しコマをふやしたりトメを入れてみたり、色々と試してみて、Slackにも投稿してみてください(ことばも添えて)。
プレイ2:意志をもった石
<シナリオ>
画面の外から石が転がってきて中央で止まる。
しばらくすると、石に心が宿ったかのように意志をもって動き出し、画面の外へと移動していく。。
※前半のモノとしての動きと、後半の意志をもった動きとを
対比させるところがなかなか難しい課題です。
どうしたら物質的な動きになるでしょう?
どうしたら生物的な動きになるでしょう?さらに動きで感情や性格を伝えるには?
※なるべく動きに集中してほしいのですが、発想のために舞台に何かを加えたり、後半に別のモノを登場させたりするのはOKです。
参考
『コマ撮りアニメーションフェスティバル Vol.0』
ミニシアター「Morc阿佐ヶ谷」にて 7月1日~8月18日開催
▼ハイダーとジンメルによる視覚心理学実験の映像(1944)
▼ノーマン・マクラレンのアニメーション講座
▼ヤン・シュヴァンクマイエル「対話の可能性」
▼The Deep by PES
▼アニメーションでおかしな水族館をつくろう!
→ 講師の方からご提供いただいた上記ワークショップのレポート(PDF)
▼久保雄太郎「石けり」5分
▼有吉達宏「石から」 5分
▼大寶ひとみ「おもかげたゆた」 10分
▼坂上直「その家の名前」 4分半
FOUND ANIMATIONとも通じる「ティンカリング」の作品例
▼Issac Cordal
Cement Bleak
▼Kumi Yamashita
おりがみ
▼Leonardo Ulian
Technological Mandalas
▼Mark Jenkins
Storker Project